2018/11/06

村上春樹さん、母校の早稲田大学に『村上ライブラリー』を寄贈

国際交流の場、自身の書斎のようなスペース、レコード

コンサート、スカラシップ(奨学制度)--。

作家の村上春樹さん69は4日、母校の早稲田大で、自身

の資料寄贈を機に同大に設置される「村上ライブラリー」

(仮称)について、さまざまな夢を語った。

Photo

早稲田大学の鎌田薫前総長にサインした「騎士団長殺し」

英訳版を渡す村上春樹さん。

村上さんは記者会見に、茶色のジャケットに紺色のスニー

カー姿で登場。

「最初は村上春樹記念館という案もあったんですが、まだ

死んでいないので」と冗談を飛ばし、話を始めた。

在学中のエピソードを紹介し、「当時の早大は自由な気風

があって、僕の性格に合っていた」と述べたうえで、

「村上ライブラリー」を含む文学の研究センターが多彩な

機能を持つものとなるように、自ら「積極的に関わっていき

たい」と意欲を見せた。

質問にも丁寧に答え、小説「ノルウェイの森」の草稿ノート

などを寄贈する可能性も明かした。

膨大な資料をどこかにまとめたいと思い立ったのは4、5年前

だと言い、外国も含め「いろんな行き先を検討し」、母校が

「一番落ち着きどころという気がした」。

中でも「半世紀以上かけて一生懸命に集めた」という2万

枚近いレコードには愛着が深く、コンサート開催にも「協力

はできるだけしたい」と語った。

「自分は翻訳という言語の交流や交換によって育てられて

きた」と話した村上さん。

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スカラシップの構想に関連してこれから文学を担う人への期待

を聞かれ、「小説の力は物語。物語が心に響く力を持っていれ

ば、言語を超えて交換可能だ」と持論を披露。

「物語を一つの武器にして追求する人が出てくればうれしい。

一つの文化の中に収まっていたら、そういう人は出てこない」

と熱を込めた。

キャンパスでは同日、ちょうど学園祭「早稲田祭」を開催中。

学園祭を楽しんでいた同大文化構想学部2年の男性20は

「世界的に有名な村上さんが母校への愛を持っていると思うと

うれしい」と話していた。

                  (毎日新聞)参照

 

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2018/06/30

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録

バーレーンの首都マナマで開かれている『国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)』の世界遺産委員会は、30日、

日本が推薦した約250年続いたキリスト教禁制と独自の信仰の歴史を示す

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)を世界文化遺産に登録すると決定した。

事前審査を担うユネスコ諮問機関の『イコモス』から助言を受け、当初の推薦書を見直したことが奏功した。

国内の世界文化遺産は18件目、自然遺産を含めた世界遺産は22件目となる

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2018/05/28

香取慎吾、ルーブル美術館で初個展「ジャポニスム2018」公式企画


元SMAPの香取慎吾41がフランス・パリのルーブル美術館で初の個展を開催することが27日、分かった。

日仏友好160年を記念した日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」(7月~19年2月)の公式企画として、展覧会「NAKAMA des ARTS」(9月19日~10月3日)を同館内で実施する。

出品作は選定中。

さらに、「ジャポニスム2018」の広報大使に任命されることも決まった。

今年3月に香港で、海外初作品となるストリート・アートを披露し世界進出した香取が、ついに聖地に乗り込む。

場所は、ほぼ毎年プライベートで足を運んだ憧れのルーブル美術館。

「アートにゴールはないと思い続け、描き続けているぼくですが、目指すゴールと言ってもおかしくないルーブル美術館でスタートできることに、ぼくのアート脳が爆発しています。たくさんの人に僕を感じてもらいたい」と意欲を燃やす。

芸術の都での“個展デビュー”に、アイデアは膨らむ一方だ。

 

個展は、「アートを題材にしてNAKAMAとつながりたい」というコンセプトのもと、絵画やオブジェのほか、自身の好きなファッションなども紹介する。

さらには、「ZUKIN/頭巾」を何個もつなぎ合わせてドーム型にする「新しい建築」とのコラボ作品の発表を予定。

香取も展示に伴う作業のため現地に足を運ぶ。

期待されているのは芸術だけではない。

SNSなどでの発信力の高さを買われ、パリ内外の約100会場で約8カ月間開催される「ジャポニスム2018」の広報大使に任命されることも決まった。

今後、日仏両国で様々な広報活動を行う予定で、「ぼくの大好きなフランスと日本の“響きあう魂”を、パリで世界中の方々に体感してもらえたらうれしい」。

“新しい地図”に次々に加わる新たな道に、胸を高鳴らせていた。

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2018/03/19

「浅見光彦シリーズ」の著者、内田康夫さん敗血症のため死去

人気ミステリー「浅見光彦シリーズ」で知られる作家の内田康夫さんが、今月13日に敗血症のため亡くなった。享年83。

内田康夫さんは昭和9年に東京で生まれ、コピーライターなどを経て昭和55年に「死者の木霊」で作家としてデビューした。

フリーのルポライター、「浅見光彦」が事件の謎を解くミステリーシリーズがベストセラーとなり、シリーズはこれまでに100作を超えている。

シリーズは何度もテレビドラマ化され、水谷豊や辰巳琢郎などが主人公の浅見光彦を演じてきた。


平成20年にはミステリー文学の発展に貢献したとして、「日本ミステリー文学大賞」を受賞している。

平成26年から浅見光彦シリーズの最新作「孤道」を新聞に連載していたが、翌年、脳梗塞で倒れて連載を中断。

去年、小説の「休筆宣言」をした。

「孤道」は未完のまま刊行されたが、作品の続きとなる小説の公募が行われていて、最も優れた作品が「完結編」として出版される予定。



小説の執筆を休んでからも短歌の創作を続け、出版社のWEBサイト上で発表しながら療養を続けていたが、内田さんの作品を管理する財団によると、今月13日、敗血症のため東京都内で亡くなった。

長野県軽井沢町にある『浅見光彦記念館』では、今月23日から1か月間、献花台が設けられるという。



西村京太郎、山村美紗とともに、旅情ミステリーの代表的作家。

事前に構想を固めずに書き進める作法をとり、旅情ミステリー作家として各地の風景や人々の心情を描いてきた。

『内田康夫財団』によると、残された著作は163、累計発行部数は1億1500万部という。


 



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2015/12/10

野坂昭如さん、死去 焼け跡闇市派の直木賞作家 火垂るの墓

小説「火垂ほたるの墓」などで知られる作家で、「焼け跡闇市派」を自任する傍ら、歌手やタレント、元参院議員として幅広く活躍した野坂昭如あきゆきさんが9日午後10時半ごろ、心不全のため東京都内の病院で死去した。享年85。1930年、後に新潟県副知事になる父

Photo相如すけゆき、母ヌイの次男として鎌倉に生まれ、間もなく母が亡くなったため、神戸市で貿易会社の支配人を務める親類へ養子に出された。

神戸市立第一中在学中の45年、神戸大空襲で家を焼かれ、養父は死亡。

疎開先の福井県では義妹を栄養失調で失う。この時の体験は「火垂るの墓」のモチーフとして生かされている。

47年に上京したが、万引きなどが発覚し、少年院に入れられた。実父に引き取られ新潟へ。野坂の姓に戻った。

49年新潟大教育学部新発田分校に入学するが3日後に退学。50年、早稲田大文学部仏文科に入学。古着の行商など、さまざまなアルバイトを経験した。在学中から三木鶏郎とりろう音楽事務所、後の「冗談工房」で事務員を務め、やめてからコント執筆を開始した。

授業料滞納で大学を除籍後、CMソングの作詞を始め「セクシー・ピンク」など多くのヒット曲を生んだ。61年からコラムニストとして活躍しだし、63年「エロ事師たち」を連載、三島由紀夫、吉行淳之介らに絶賛され、作家として注目される。

同年、作詞した「おもちゃのチャチャチャ」でレコード大賞童謡賞を受賞。
68年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で第58回の直木賞を受賞した。

「真夜中のマリア」「マリリン・モンロー・ノー・リターン」などの小説を発表、七五調の歯切れのいい独特の文体で人気を呼び、人気作家となった。

72年編集長をしていた雑誌「面白半分」に永井荷風作と言われる「四畳半襖の下張」を掲載したことで、わいせつ文書販売等の罪で起訴され、有名作家を次々と呼ぶ法廷戦術は話題となった。

74年参院議員選挙に無所属で東京地方区から立候補し落選。東京高裁、最高裁と争われた「四畳半」裁判は80年有罪が確定した。

83年参院比例代表に二院クラブから名簿記載順位1位で立候補し当選。

同年田中角栄元首相の選挙区、衆院旧新潟3区から無所属で立候補、落選した。

       動画像編集ソフト付

                                 

 

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2015/07/16

芥川賞に、又吉直樹さんと羽田圭介さん 直木賞は、東山彰良さん

第153回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日夕、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞はお笑いコンビ「ピース」で活躍する又吉直樹さん35の「火花」(文学界2月号)と、羽田圭介さん29の「スクラップ・アンド・ビルド」(文学界3月号)に決まった。

Photo直木賞は、東山彰良あきらさん46の「流」(講談社)が選ばれた。

又吉さんは初候補での受賞。作品は2人のお笑い芸人の友情と葛藤を描いた中編。天才的なセンスを持ちながら時流に乗れず、身を持ち崩す神谷と彼を慕う徳永が、さまざまな人間関係や漫才論議を通し、互いの芸と生き方を見詰めていく。

羽田さんは4度目の候補での受賞。作品は、30前の就職浪人が祖父をいかに「究極的な安楽死」に導くか思いを巡らす姿を通じ、現代社会の病理を描く。日々肉体改造に励む孫と、介護を受けつつ、ずぶとく生きる祖父の心理戦が印象的だ。

選考委員の山田詠美さんは又吉さんの「火花」について、「書かざるを得ない切実なものが迫り、欠点もあるが、主人公と先輩の火花の散る関係がうまく出ていた。1行1行に芸人としてのコストと人生経験がかかっている」と評価した。

羽田さんの作品は、「愚かな主人公を魅力的に書けている。天然ぼけを観念で引っ張っていく羽田さんの世界だ。介護が介護でなくなる瞬間を描き、新しいホームドラマを作り上げた」。

Photo_2東山さんは初候補での受賞。作品の舞台は1970〜80年代の台湾。かつて国共内戦に参加した祖父の死の謎を追う孫の前に、真実が一家のルーツと共に明かされる。日本と大陸のはざまで苦難の歴史を歩んだ台湾の光と闇を鮮烈に描いた。

選考委員の北方謙三さんは、「流」が満場一致で決まった経緯を説明し、「欠点を言う人がいなかった。20年に1度出るぐらいの画期的で素晴らしい作品で、小説とはこういう面白さを持っているんだと思わせてくれる」と絶賛した。 

                                                   

                                     

                                 

                                 

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2015/06/19

又吉直樹・光浦靖子・若林正恭ら読書芸人「人生のマイベスト本」発表

雨上がり決死隊がMCを務めるトークバラエティー「アメトーーク!」(テレビ朝日系)は大好評「読書芸人」の第2弾を放送する。今回は読書芸人のピース・又吉直樹オアシズ・光浦靖子、オードリー・若林正恭の3人がスタジオを飛び出し、都内の大型書店などでロケを敢行。

Photo_3熱く分かりやすく読書の魅力について語り合った。

「本の魅力は実際に手に取って見るのが一番」という又吉の提案で新宿・紀伊國屋書店など、読書にまつわる場所を数カ所巡ることに。

紀伊國屋書店では、3人の推薦本を紹介する他、書店の正しい歩き方も紹介した。

さらに大の読書好きたちが選ぶ「人生のマイベスト本」も発表。放送後には紀伊國屋書店に番組特設コーナーが設置され、3人がお薦めとして挙げた本が店頭に並ぶという特別コラボも実施。

読書なんて人生の暇つぶしだという人も、いつも読書で知識を得ているという人も、読書芸人たちの静かに熱いトークを見れば自然と書店に足を運びたくなるはず。

第153回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が発表され、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹35が、「火花」(文学界2月号)で初の芥川賞候補に選ばれた。

                                                   

                                     

                                 

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2014/07/09

川端康成、初恋の伊藤初代への書簡発見「伊豆の踊子」にも影響

「僕が十月の二十七日に出した手紙見てくれましたか。君から返事がないので毎日毎日心配で心配で、ぢっとして居られない。手紙が君の手に渡らなかったのか、お寺に知れて叱られてゐるのか、返事するに困ることあるのか、もしかしたら病気ぢゃないか、

Photo本当に病気ぢゃないのかと思ふと夜も眠れない」

ノーベル賞作家の川端康成(1899~1972年)が、初恋の女性とされる伊藤初代に宛てた未投函の書簡1通が神奈川県鎌倉市の川端邸で見つかり、その内容が8日明らかになった。

孤独の中で永遠の少女を追い求め、美的世界を探究した川端文学の原点をうかがわせる。

初代は「篝かがり火」・「非常」などの初期作品や代表作「伊豆の踊子」の世界観に影響を与えたとされ、川端文学の成立過程を解明する上で重要な資料となりそうだ。

書簡は1921年秋に書かれ、当時川端22歳、初代15歳。

「僕が十月の二十七日に出した手紙見てくれましたか。君から返事がないので毎日毎日心配で心配で、ぢつとして居られない」との書き出しで、
「もしかしたら病気ぢやないか、本当に病気ぢやないのかと思ふと夜も眠れない」など、初代への切々とした思いがつづられている。

                                                     

                                     

                                                   

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2014/04/09

2014年本屋大賞は、和田竜『村上海賊の娘』

4月8日、明治記念館で「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 2014年本屋大賞」発表会が行われ、2014年本屋大賞として和田竜さん『村上海賊の娘』(新潮社)が選ばれた。戦国時代の瀬戸内海が舞台で、当時大きな勢力を誇った海賊「村上水軍」の中でも、

Photo 海賊王と恐れられた武将を父に持つヒロインが、一族の存亡をかけて戦いを挑む姿を描いた。

和田竜さんは1969年、大阪府生まれ、広島市育ち。

綾瀬はるかは、小中学の後輩。

早稲田大学政治経済学部卒業後、07年に小説『のぼうの城』で作家デビュー。

『村上海賊の娘』は吉川英治文学新人賞も受賞しており、上下巻合わせて約75万部のベストセラーとなっている。

8日に行われた本屋大賞の発表会で和田竜さんは、同作品の執筆には資料を読むのに1年、シナリオ作りに1年、連載に2年。直しに半年という期間を費やしたと述べた。

本屋大賞
出版業界活性化のために全国書店員が有志で立ち上げ、NPO法人本屋大賞実行委員会が運営する。

                                                   

                                     

                                 

                                                     

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2014/02/04

岩倉具視の暗号表や菅原道真の写経など数万点発見 京都の土蔵

平安から明治時代の古文書や書画、動植物の博物標本など数万点に及ぶ貴重な資料が、京都市内の土蔵で見つかった。調査した松田清京都外国語大教授(日本洋学史)が3日発表した。1877(明治10)年の西南戦争で明治政府のナンバー2だった岩倉具視が使った暗号表や、

Photo菅原道真の直筆とみられる写経など重要文化財級の資料が多数含まれているという。

資料が見つかったのは、1786年から120年近く続いた本草漢学塾「山本読書室」(山本亡羊主宰)跡(下京区)に残る土蔵。

山本家が代々収集してきた資料とみられる。

暗号表は大小2枚の円盤の周りにカタカナが書かれ、小さい円盤を回して文字を変換する。

明治10年(西暦1877年)の西南戦争当時、岩倉具視の秘書だった山本復一が岩倉の破棄命令に反し、保管していたという。

Photo_2また、西南戦争に士族を徴兵するかどうかをめぐる政府内の混乱や、鎮圧軍トップの職を狙う木戸孝允大久保利通の争いなど、当時の権力構造が読み取れる秘密通信文61通もあった。

菅原道真の直筆とみられる写経は、漆塗りの箱に厳封されていた。

このほか1868年に徳川慶喜が江戸攻撃の中止を求めた直筆の哀訴状や、藤原定家直筆の書、源氏物語の写本などもあった。

「国の重要文化財にも匹敵する貴重な資料も含まれている。これほどの貴重な資料が大量に見つかるとは、想像していなかったので非常に驚いた。今後、さまざまな専門家と協力して分析を進めたい」松田教授。

                                                  

                                    

                               

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