村上春樹さん、母校の早稲田大学に『村上ライブラリー』を寄贈
国際交流の場、自身の書斎のようなスペース、レコード
コンサート、スカラシップ(奨学制度)--。
作家の村上春樹さん69は4日、母校の早稲田大で、自身
の資料寄贈を機に同大に設置される「村上ライブラリー」
(仮称)について、さまざまな夢を語った。
英訳版を渡す村上春樹さん。
村上さんは記者会見に、茶色のジャケットに紺色のスニー
カー姿で登場。
「最初は村上春樹記念館という案もあったんですが、まだ
死んでいないので」と冗談を飛ばし、話を始めた。
在学中のエピソードを紹介し、「当時の早大は自由な気風
があって、僕の性格に合っていた」と述べたうえで、
「村上ライブラリー」を含む文学の研究センターが多彩な
機能を持つものとなるように、自ら「積極的に関わっていき
たい」と意欲を見せた。
質問にも丁寧に答え、小説「ノルウェイの森」の草稿ノート
などを寄贈する可能性も明かした。
膨大な資料をどこかにまとめたいと思い立ったのは4、5年前
だと言い、外国も含め「いろんな行き先を検討し」、母校が
「一番落ち着きどころという気がした」。
中でも「半世紀以上かけて一生懸命に集めた」という2万
枚近いレコードには愛着が深く、コンサート開催にも「協力
はできるだけしたい」と語った。
「自分は翻訳という言語の交流や交換によって育てられて
きた」と話した村上さん。
スカラシップの構想に関連してこれから文学を担う人への期待
を聞かれ、「小説の力は物語。物語が心に響く力を持っていれ
ば、言語を超えて交換可能だ」と持論を披露。
「物語を一つの武器にして追求する人が出てくればうれしい。
一つの文化の中に収まっていたら、そういう人は出てこない」
と熱を込めた。
キャンパスでは同日、ちょうど学園祭「早稲田祭」を開催中。
学園祭を楽しんでいた同大文化構想学部2年の男性20は
「世界的に有名な村上さんが母校への愛を持っていると思うと
うれしい」と話していた。
(毎日新聞)参照
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