岸田文雄・尹炳世外相、世界遺産で相互協力 従安婦は深入りせず
岸田文雄外相は21日、尹炳世ユン・ビョンセ外相と都内で会談。韓国が反対していた明治日本の産業革命遺産(23施設)の世界文化遺産登録について、韓国側の主張を一部反映し、韓国が登録を求める推薦案件と合わせて登録が実現するよう協力することで一致した。安倍晋三首相と
朴槿恵パク・クネ大統領との初の首脳会談については「適切な時期」に開催することで一致したほか、日中韓首脳会談を年内に行うことを確認した。
尹炳世氏の訪日は、13年2月の朴政権発足後初めて。韓国外相の来日は11年の金星煥キム・ソンファン氏以来、4年ぶり。
産業革命遺産の世界遺産登録を巡って、韓国側は「戦時中、朝鮮人が強制徴用された」と主張、登録対象施設での強制徴用に関する経緯を訪問客に何らかの形で説明するよう求めていた。
会談では、韓国側の主張を一部反映することを確認したとみられ、同じく国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関による登録勧告を受けた韓国の「百済歴史遺跡地区」と合わせて、登録に向けて協力することになった。
会談終了後、岸田氏は記者団に「両案件が共に登録されるよう協力することで完全に一致した」と明言。尹氏も「円満に解決しようという共通認識をもって、緊密に協力することにした」。
従軍慰安婦問題については、解決に向けて局長級協議などで議論を続ける方針を確認。
また岸田氏は、韓国の裁判所で戦時中に日本に動員された元徴用工の個人請求権を認める判決が相次いでいる問題について「解決済み」と主張する日本側の立場を改めて伝えた。
尹氏は国会で審議中の安全保障関連法案について、「透明性をもって説明の努力をして意いていることは評価している」と言及。北朝鮮の非核化に向け、具体的な行動を引き出すために日韓や日米韓の連携が重要であると確認した。日本側は、韓国が東京電力福島第1原発事故を機に実施している東北などからの水産物の輸入制限の解除を要求した。
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