高倉健さん、悪性リンパ腫で森繁久彌・森光子さんと同じ日に逝く
高倉健(本名・小田剛一)さんは任侠映画からスペクタクル大作、人情ドラマまで、戦後の映画史に強烈な足跡を残し、10日に83歳で死去。武骨だが、不器用で情に厚い「男の中の男」を演じ続け、健さんと親しみを込めて呼ばれた銀幕の大スターの訃報に、
知人たちから悼む声が相次いだ。
長年の盟友で、遺作となった12年の映画「あなたへ」を撮った降旗康男監督は、「残念の一言。来春の撮影を楽しみにしていましたが、できなくなってしまいました。無念です」との短いコメントを出し、悲しみの深さを感じさせた。
孤高のスターのイメージが強い高倉さんだが、撮影現場では気配りを欠かさなかった。
「鉄道員(ぽっぽや)」で共演した広末涼子は、「聞かせてもらった音楽、入れてもらったコーヒー、かけて頂いた優しい言葉、力強く抱き締めてもらった思い出、全部忘れません」
妻役で共演した大竹しのぶは、「豊かで素晴らしいことをたくさん教えていただきました。美しく、気高く、何よりも優しい健さんを一生忘れません」と悼んだ。
「幸福の黄色いハンカチ」で共演した武田鉄矢は、「どう受け止めていいのか茫然としている」。同作は映画デビュー作。「俳優のお手本は健さんだった。僕のような素人に演じるということを教えてくれた。『よくやったな』ともう一度褒められたい」と目を潤ませた。
「新幹線大爆破」の佐藤純彌監督は、「高倉健さんは決して死なない気がして、訃報を聞いた時は一つの時代が終わったことを実感しました」と、存在の大きさを表現した。
東映の後輩で、「南極物語」で越冬隊員を共に演じた渡瀬恒彦は、「ずっと親方のような存在でした。撮影で寝食を共にした2カ月が忘れられません」。
「動乱」で共演した吉永小百合は、「映画の世界で生きることの素晴らしさを教えていただいた方です。本当にありがとうございました」とコメントを出した。
◆奇しくも09年の11月10日には、高倉さんと同じく国民的俳優の森繁久弥さんが96歳で、また12年の同日には森光子さんが92歳で死去している。
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