「アンネの日記」破損被害相次ぐ 米ユダヤ系人権団体が非難
「アンネの日記」や関連図書が東京都内の複数の図書館で相次ぎ破られた事件で、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副代表が20日、「衝撃と強い懸念」を表明した。
「日本の当局は犯人の特定と対処を」と求めている。
クーパー氏は、「多くの日本人がいかにアンネ・フランクを学び、敬意を表してきたかを知っている」としつつ、「この事件は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲となったユダヤ人の子どもの記憶を中傷する組織的活動の存在を強く示唆している」と非難した。
同センターは昨夏、麻生太郎副総理が憲法改正を巡り、ナチスを引き合いに、「手口に学んだらどうか」とした発言も抗議した。
被害は杉並区や練馬区、東久留米市など少なくとも5区2市の計36館、計288冊に上ることが21日、各自治体や図書館への取材で分かった。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「わが国として受け入れられるものではない。極めて遺憾であり、恥ずべきことだ」と非難。問題の背景について「全く予測しかねる。警察当局もしっかり捜査するだろう」と述べた。
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