石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏に引導 晩節を汚すな 東電病院
猪瀬直樹都知事67は19日午前、医療グループ徳洲会側から現金5000万円を受け取っていた問題の責任を取り、都議会の吉野利明議長に辞表を提出。吉野議長は、5日以内に都選挙管理委員会に知事の辞職を通知し、都選管は通知を受けた翌日から50日以内に都知事選を行う。
投開票日は来年1月下旬から2月中旬になる見通し。
猪瀬氏が辞職する意向を固めた背景には、氏を後継に指名した前都知事の石原慎太郎日本維新の会共同代表が18日に辞職を促したことがある。
知事を失職させるために都議会で不信任を議決する手段もあるが、知事は辞めずに議会を解散することもできる。都議選は今年6月に行われたばかりで、「1年に2度の選挙は大変だ」との思いもあった。
自民、公明両会派は百条委員会で猪瀬氏を追及し、偽証容疑で告発して辞職に追い込むシナリオも思い描いていた。石原氏はこうした情勢を踏まえ、決断を迫ったものとみられる。
関係者によると、石原氏は猪瀬氏に、「もう持たない。晩節を汚すことにならないようにしろ」と伝えた。猪瀬氏は、「よくわかりました」と応じたという。猪瀬氏は就任からわずか1年での退陣。石原前知事に続き、都知事が任期途中で辞職する異常事態となる。
資金受領問題で知事が昨年11月、徳洲会グループ創設者・徳田虎雄元衆院議員75を訪れた際、東京電力病院の取得を検討する意向を伝えられていたことが18日、関係者の話でわかった。都は東電の株主で、知事は昨年6月の株主総会で同病院の売却を主張していた。
知事は都議会の質疑で、「面会時に東電病院の話は出ていない」などと答弁していたが、虚偽だった可能性がある。
| 固定リンク
コメント