天野祐吉さん、死去 広告批評の先駆者 コラムニスト
広告の批評やテレビのコメンテーターとして活躍したコラムニスト、天野祐吉さんが20日午前10時38分、間質性肺炎のため東京都内の病院で死去した。享年80。京都生まれ。明治学院大中退後、出版社、広告代理店勤務を経て、1979年に雑誌『広告批評』を創刊。
88年まで編集長を務め、2009年の休刊まで発行人。広告を文化現象として捉え、CMを中心に広告表現から時代を読み解く手法を確立した。
高度経済成長が一段落し、消費文化が成熟期を迎えた80年代に、広告やコピーを時代の気分を映す表現として、ユーモアと辛辣さを交えて鋭く批評した。
糸井重里さん、川崎徹さんら当時頭角を現した若手コピーライターの仕事を作品として高く評価した。新聞や雑誌にメディアの批評やコラムも多数発表。
柔らかな感性と軽妙な語り口で、政治から芸能まで幅広い分野で社会問題に切り込み、テレビやラジオのコメンテーターとして人気を博した。05年にNHK放送文化賞を受賞。06〜07年、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送番組委員長を務めた。
「広告の本」「広告論講義」など多数の著書がある。02年、中学、高校時代を過ごした松山市の同市立子規記念博物館館長に就任。07年から名誉館長を務めていた。
15日夜に重度の肺炎で入院したが、病室では元気そうに仕事の話をしていたという。
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