前田敦子装い詐欺メール ウイングネット はんにゃも被害
「AKB48の前田敦子さんの相談相手になって下さい」。人気アイドルとのメールのやりとりを装って、40歳の男性から130万円余りをだまし取ったとして、出会い系サイト運営会社・ウイングネットの元役員ら9人が警視庁に逮捕された。被害者は全国で37万人余り、被害
総額は100億円以上とみられている。
「そろそろドーム公演の最終日です。色々あって、ちょっと不安定だけどがんばりますね」。これは、AKB48に在籍していた前田敦子を装って送られてきたメール。
「最初の内容は卒業前だったので、卒業までの心配事(の相談)。本人という印象が、すごく大きかったので感情移入した」
偽者(キンタロー。ではない)の前田敦子とメールのやりとりをしていた埼玉県に住む40歳の会社員の男性。半年間にわたって、前田本人と夢のようなやりとりを続けていたが、結局、136万円という悪夢の代償を支払うことになった。
警視庁は、この男性から金を騙し取ったとしてウイングネットの元役員山中孝浩容疑者34や、藤枝隆一容疑者47ら9人を詐欺の疑いで逮捕した。
ウイングネットは、全国の37万人余りから100億円以上をだまし取っていたとみられる。
今回、事件の被害者の男性がだまされたきっかけは、去年4月に男性のフェイスブックに届いた1つのメッセージ。送り主は前田のマネージャーを名乗る島野桃という女性だった。
「きょうは聞いてもらいたいお話があって来たんです。ここでは他の方の目もあり、お話しにくいのでこの連絡先からアクセスして下さい」
「タレント本人の希望で、どうしてもお話したいということで、最初は信じられなかったんですけど、お力添えができるのであればという内容で返信させていただきました」
その後、前田本人を名乗るあっちゃんという人物から、メールが届くようになった。「グループ内の誰がどうなったとか、こういう状況だとか、事務所からこういうオファーが来たとか、過呼吸になったとか、ストーカーにあってるとか」
続きを読んだり返信するには、下のURLをクリックし出会い系サイトにアクセスして、利用料を支払う仕組みとなっていた。
メールをやりとりするためにはポイントが必要で、1ポイント10円となっていて、メールを1回やりとりするごとに500円が課金された。
1日に20通から30通、前田を名乗る女性にメールを送信、やりとりをはじめて半年後、詐欺かも知れないと妻に相談した。「かなりショックを受けていましたね。妻も泣かしたことなかったので、初めて泣かしてしまった。(そのことが)やめようというきっかけにもなった」
摘発された出会い系サイトの運営会社ウイングネットが雇っていたアルバイトは、全部で170人。そのうち、50人が常時芸能人を装ってメールを送るサクラだった。
「最後の公演行ってきます…。最後の掛け声お願いします」
これは、去年8月27日の夕方に、男性に送られてきたメール。夜には前田のAKB48卒業公演が行われたがウィングネットが雇っていた「サクラ」は、芸能人のブログやテレビの出演情報などを隈なくチェックし、つじつまが合うように工作していたとみられる。
芸能人を装った詐欺は全国に広がっていて、お笑い芸人も被害にあっていた。
お笑いコンビ「はんにゃ」の金田哲に今年1月、篠田麻里子のマネジャーを名乗る人物から、「篠田さんが疲れていて、お話を聞いてほしい」とのメール。金田は、篠田本人を名乗る女性の相談に乗って、メールを続けるために必要とされた3000円を銀行に振り込んだ。
相方の川島章良のもとへも同じメールが届いたが、被害にはあわなかった。
「アイドルの方とメールできるなんて、俺らにとっても夢みたいなもので、もし一般の方だったら、より夢みたいじゃないですか。そりゃ引っかかるわって」(はんにゃ
川島章良)
「『詐欺なんて引っかかるわけないじゃん』と言っている人ほど気をつけて!!」(金田哲)
全国の消費生活センターに寄せられた芸能人など「サクラ」による詐欺の被害の相談件数は、昨年度、2万件に上った。警視庁は、前田敦子の名前を使って金を騙し取った「ウイングネット」の40歳の社長について、逮捕状を取って行方を追っている。
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