芥川賞:黒田夏子 直木賞:朝井リョウ&安部龍太郎
第148回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が16日に築地の新喜楽で行われ、芥川賞に黒田夏子さんの「abさんご」(早稲田文学5号)が、直木賞に朝井リョウさんの『何者』(新潮社刊)と安部龍太郎さんの『等伯』(日本経済新聞出版社刊)が選ばれた。
なお、今回も受賞発表と記者会見の様子がニコニコ動画で生放送されており、その様子を6万人以上が視聴した。
黒田夏子さんは75歳で、芥川賞では最年長での受賞。
受賞作の「abさんご」は横書き、カタカナや固有名詞を使わないなど独特な文体で書かれている。
直木賞を受賞した朝井リョウさんはデビュー作『桐島、部活やめるってよ』(集英社)が人気を呼び、昨年には同作が映画化。『何者』は大学生の就職活動をモチーフに、ネット時代の自意識を描いた意欲作。
一方の安部龍太郎さんは「師直の恋」でデビュー。1994年に『彷徨える帝』(新潮社)で第111回直木賞候補。今回の受賞作である『等伯』は安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師・長谷川信春(等伯)を描いている。
受賞作発表後、3人は記者会見に応じ、黒田夏子さんは、「思いがけない受賞でした。嬉しいが半分、思いがけないが半分」と受賞の喜びを語った。また、75歳という年齢での受賞となったが「隠れているような作品を見つけるきっかけになるならば」とコメントした。
戦後最年少での直木賞受賞となる朝井リョウさんは社会人一年目で、「会社の最終面接と同じくらい緊張しています」とコメント。「文章を書いていてこんなに嬉しいことはない」と受賞の喜びを語った上で、「最年少という冠がなくても読んで頂けるような存在にならないといけない」と気を引き締めていた。
また、安部さんは、「今は僕の小説をずっと読んで頂いた方に対して、非常にありがたいと思っています」と自分の作品の読者に感謝を述べ、自分の小説に込めた想いを語った。
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