小沢昭一さん前立腺癌により死去 映画・ラジオなど幅広く活動
ラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」での軽妙洒脱な話芸や一人芝居で知られる俳優の小沢昭一さんが10日、東京都内の自宅で死去した。享年83。東京生まれ。早大文学部仏文科に在籍中に俳優座養成所に入所、のちに俳優小劇場の中心的存在となった。
早稲田の同窓である今村昌平の紹介で、1954年に映画デビュー。「幕末太陽伝」「豚と軍艦」など数多くの映画に出演した。
1966年の「『エロ事師たち』より 人類学入門」(今村昌平監督)で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。
80年代初めには「しゃぼん玉座」を旗揚げ。「国語事件殺人辞典」や「吾輩は漱石である」をはじめとする井上ひさし作品を上演し、一人芝居「唐来参和(とうらいさんな)」は83年から00年まで全国各地で660回演じた。
73年から始まったラジオ番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」は、江戸っ子らしいテンポのある風刺の利いた語りが広い支持を得て、放送回数が1万回を超える長寿番組に。
また、浪花節、万歳、猿回し、女相撲など従来の学術研究の枠に収まらない芸能の出自や役割を探求し、「日本の放浪芸」「放浪芸雑録」などにまとめた。
98年に前立腺がんが見つかり治療を続けていたが、12年9月に入院。「小沢昭一の小沢昭一的こころ」の出演も見合わせていた。
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