大上哲央・かおり夫妻、今林大と和解 遺族の無過失認め賠償
福岡市で06年8月、飲酒運転した元福岡市職員今林大受刑者28の乗用車に追突された多目的レジャー車(RV)が海に転落。幼児3人が水死した事故で、両親が約3億5千万円の損害賠償を求めた訴訟は17日、今林大らが謝罪、賠償する内容で福岡地裁
(田中哲郎裁判長)で和解が成立した。
両親側(大上哲央・かおりさん夫妻)の代理人によると、今林と父親が過失相殺なしで賠償金を支払うが、金額は明らかにしなかった。
受刑者らは遺族に謝罪し、哀悼の意を表明することも和解条項に含まれた。
この事故で、今林受刑者は危険運転致死傷罪などで懲役20年が確定した。
福岡高裁で15日言い渡された3幼児死亡事故の控訴審判決。1審判決より重い懲役20年を言い渡された今林大ふとし被告24は、法廷に姿を見せなかった。
大上哲央あきおさん36、かおりさん32夫妻は、傍聴席の最前列に座った。「被告を懲役20年に処する」。
裁判長の言葉にかおりさんは目を大きく見開き、夫とうなずき合った後、一言一言かみしめるように判決理由に聞き入った。
2年9カ月近くが過ぎた今も、大上哲央さんは後遺症の頭痛に悩む。かおりさんも、当時刺さったガラスや貝殻の破片が、痛みとともに体から出てくるという。
「3人の子ども(長男紘彬ひろあき 当時4つ、二男倫彬ともあき 3つ、長女紗彬さあや 1つ)の命を奪った罪と向き合ってほしい」。
事故後、海外で暮らさざるをえなくなった夫妻は、控訴審では「被告に思いを伝えられるのは最後」と夫婦揃って意見陳述した。
2007/09/22 の記事
昨年8月、福岡市で起きた飲酒運転事故で愛児3人を亡くした母親の大上かおりさん(30)が21日、愛子ちゃんとともに病院を退院した。
「出産直後に胸に抱いたときに、命の重みをズッシリと感じた。『再びわが子を抱ける』という思いが込み上げてきて、とてもうれしかった」。
かおりさんは、夫の大上哲央(あきお)さん(34)と笑顔で語った。
長男紘彬(ひろあき 当時4つ)ちゃん、二男倫彬(ともあき 3)ちゃん、長女紗彬(さあや 1)ちゃんの、3人それぞれに似ているところがある」という。
「抱っこさせてあげたかったので(それができない)苦しい思いと、誕生の喜びを併せ持って(3人に)報告した」とかおりさん。
「私たちにとって、4人みんなが特別に大切な存在。3人と同じように、いつも私たちに笑顔を振りまいてくれる穏やかな子に育てていきたい」。
愛子ちゃんに「無事に生まれてきてくれて有難う」と声をかけた哲央さんも、「これからを生きていく光が見えてきました。3人をいつも側に感じることができるように、伝えていきたい」。【西日本新聞】から
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