上山春平氏、死去 歴史や宗教や文明など幅広い学識
歴史や宗教、文明を幅広く論じた哲学者で、元京都市立芸術大学長の上山春平うえやましゅんぺい氏が3日、パーキンソン病のため右京区太秦うずまさ垂箕山たるみやま町の自宅で死去した。享年91。台湾生まれ。1943年京都帝国大学文学部哲学科卒。京都大学名誉教授。
戦争中に人間魚雷回天の特攻隊員として九死に一生を得た。
戦後、京大人文科学研究所で教授、所長を経て名誉教授。京都国立博物館長も務めた。
西洋哲学から出発し、論理学や国家・天皇制などを骨太に論じ「空海」、「神々の体系」など力作を次々に発表した。
主要著作は法藏館より 『上山春平著作集』 に収められている。
日本を、照葉樹林文化として捉え、理系と文系の総合を目指した試みが特に評価が高い。対話やシンポジウムを得意とした。梅原猛、梅棹忠夫ら、新・京都学派のひとり。
戦争体験を基に、日本の国際貢献や国連問題についても発言した。
1988年、紫綬褒章受章。94年、文化功労者。98年、叙勲二等授旭日重光章。
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