ヒッグスとみられる神の粒子を発見 欧州合同原子核研究所CERN
宇宙の成り立ちに欠かせないものとして、50年近く前にその存在が予言されながら見つかっていなかった「ヒッグス粒子」とみられる素粒子を「発見した」と、日米欧などの国際的な研究グループが発表した。ヒッグス粒子は1960年代以降、
物理学の標準理論で存在が予言された17の素粒子のうち、ただ1つ見つかっていなかったもので、現代物理学の大きな謎が解明されることになる。
世の中の最も基本的な粒子の一つで、物に重さ(質量)を与えるヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと、欧州合同原子核研究所(CERN、スイスのジュネーブ)で実験を続ける国際チームが4日、発表。ロイター通信が報じた。
ヒッグス粒子は宇宙の誕生直後、質量を持たずに光速で飛び回っていた素粒子に、質量を与えたと考えられており、宇宙にあまねく潜んでいることから神の粒子とも呼ばれる。
実験チームは昨年12月、最大で98.9%の確からしさで、「発見に一歩近づいた」と発表していたが、ことし6月までの実験でさらに確率が高まった。
ヒッグス粒子は、あらゆる物質に含まれる素粒子の基本理論として1960年代に提唱された「標準理論」で存在が予言された。
標準理論では、宇宙誕生/ビッグバン直後、水が氷になるような状態変化「相転移」が起き、ヒッグス粒子が宇宙空間全体に充満したため、質量が生まれた。標準理論で存在が指摘された他の素粒子は988年までに次々と見つかったが、唯一未発見だった。
写真 質量の起源と考えられるヒッグス粒子を提唱したピーター・ヒッグス英エディンバラ大名誉教授。後ろは建設中の大型ハドロン衝突型加速器のアトラス測定器=2008年、ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究所
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