熊本、大分両県の豪雨死者19人 不明者8人
活発な梅雨前線の影響で記録的な豪雨に見舞われた九州は、13日も激しい雨が断続的に降り、多い所では1時間に100㍉を超す大雨を記録した。熊本、大分両県で死亡した人は19人、行方不明者は8人。被害の集中した熊本県阿蘇市の土砂崩れ現場では、
行方不明者の捜索が徹夜で続いた。
福岡管区気象台によると、対馬海峡付近に停滞する梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、九州で局地的な豪雨が降った。鹿児島県霧島市溝辺で午前2時17分までの1時間に101㍉と、観測史上最多の雨量を記録した。
降り始めから13日午前10時までの総雨量は阿蘇市阿蘇乙姫で538.5㍉、霧島市溝辺で363.5㍉に達した。今後も14日正午までの24時間に多い所で大分と福岡県で150㍉、熊本と長崎、佐賀各県で100㍉の雨が降る見込みだ。
6カ所で住民が巻き込まれる土砂崩れが発生した阿蘇市では、自衛隊や警察官ら800人あまりによる捜索活動が夜を徹して続いた。阿蘇市一の宮町三野では12日深夜から13日未明から早朝にかけ、92歳の女性ら3人が相次いで遺体で見つかった。
熊本県高森町役場によると、12日正午ごろに町内の避難所から自宅の様子を見に行った女性81が行方不明となった。女性の自宅近くでは土砂崩れが起きており、消防団などが捜索活動を続けている。
1人が土砂崩れで死亡した南阿蘇村でも、行方不明者1人の救助活動が続いた。川の氾濫で死者1人が出た大分県竹田市でも、行方不明となった男性の捜索が続いた。
熊本県災害対策本部によると、県内の家屋の全半壊や浸水などの被害は確認できただけで657棟。避難指示は南阿蘇村の立野・新所地区の262世帯に、避難勧告は阿蘇市の全約1万世帯や熊本市北区の龍田小学校区2595世帯など6市町村に出されている。
13日朝、避難所にいた避難者は阿蘇市845人、南阿蘇村185人、熊本市64人。九電熊本支社によると、県内では阿蘇市など8市町村の約1400世帯で停電が続いている。
交通の乱れも続いた。九州新幹線は13日早朝から熊本駅~鹿児島中央駅の上下線で一時運転を見合わせ。5本が運休し、2本が遅れ、計900人に影響が出た。
西日本高速道路によると、13日午前9時40分現在、九州道の八代~人吉インターチェンジ/IC間の下り線や宮崎道の田野~高原IC間の上下線などが通行止め。鹿児島県内の東九州道、隼人東~末吉財部IC間の上下線も通行止めになっている。
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