熊野那智大社の社殿に土砂 文覚の滝消失 古道は寸断
台風12号の影響で、和歌山県の世界遺産や奈良県の国宝、国の重要文化財に被害が生じていることが分かった。和歌山県那智勝浦町の世界遺産熊野那智大社の朝日芳英宮司78によると、神社の裏山が崩れ本殿の一部が土砂で埋まっている。
5日朝、現地で確認したという朝日宮司は、「土砂が垣根を越えて、本殿が高さ2mほどまで埋まっていた。50年神社にいるが、これほどの被害はない。世界遺産の危機だ」と話した。
和歌山県立博物館の大河内智之学芸員によると、那智大滝も水量が大幅に増え、滝の前にある大社の施設の一部が流失、半壊した。
文化財などの収蔵庫は無事。熊野古道の参詣道は寸断された。田辺市の熊野本宮大社に向かう中辺路なかへちは数カ所で土砂崩れが起き、通行できなくなっている。
那智の滝を構成する小滝文覚の滝が、巨岩の崩落によって消失した。
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