京大iPS、米で特許 世界の研究環境整う 山中伸弥教授
京都大は11日、山中伸弥教授が世界に先駆けて作製したiPS/人工多能性幹細胞について、細胞の作製に関する基本特許が米国で成立したと発表した。日本と欧州ではすでに京大の特許が成立、最大市場規模の米国でも
営利優先の民間機関ではなく公的機関である京都大の特許が認められたことで、iPS細胞の実用化に向けた研究が広くオープンに行われる環境が世界で整ったといえそうだ。
特許として成立したのは、山中伸弥教授が見つけた細胞初期化に関する四つの遺伝子/山中4因子のうち、特定の三つまたは二つを用いてiPS細胞を作製する技術。
5日付で成立し、今後1~3カ月で登録される見通し。
iPS細胞の特許をめぐっては、米国では昨年末までに京大以外にも四つのグループが出願していた。
このうち、内容の一部が重複する医療ベンチャーのアイピエリアン社は係争を避けるため今年1月に権利を京大に譲渡、残りのグループと激しい争いが続いていた。
「論文を書く苦労とは比べものにならないくらい金と時間がかかったが、ほっとしている。世界中の研究者と協力し、技術を臨床の現場に届けたい」山中教授。
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