大賀典雄氏、死去 音楽家からソニーの異能経営者に
元ソニー社長で、音楽家としても知られた大賀典雄さんが23日、多臓器不全のため、東京都内の病院で死去した。享年81。静岡県沼津市出身。東京芸大音楽学部卒業後、東京通信工業(現ソニー)と嘱託契約を結び、
ベルリン国立芸術大学音楽学部を首席で卒業し、ベルリンフィルなどで指揮棒を振るうなど、音楽家としても活躍した。
1959年にソニーに入社。64年に34歳で取締役、82年に52歳でソニー社長に就任。95年に会長、00年に取締役会議長、03年に名誉会長に就いた。06年に相談役に退いた。
米CBSレコード、コロンビア・ピクチャーズを買収するなど、ハードとソフトは車の両輪とする経営を進めたほか、94年発売のプレイステーションで家庭用ゲーム機市場への参入も決断した。
音楽界から実業界に転身した異色経営者の柔軟な発想を生かし、家電メーカーのソニーで音楽や映画といった新たなソフト事業を開拓して、SONYブランドを多彩に展開した。
99年から東京フィルハーモニー交響楽団会長・理事長、04年からは東京文化会館館長を務めた。
LPレコードに代わるメディアとして、CDの録音可能時間をベートーベンの交響曲第9番が収まる約75分にするなど、規格づくりを主導した。世界的な指揮者のカラヤンとも親交が深く、その最期をみとったことで知られる。
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