さかなクン、幻の魚・クニマスを発見 山梨県西湖
環境省のレッドリストで絶滅種に指定されているクニマスが、富士河口湖町の西湖で生息していることが分かり、地元では、「観光資源になればいいが、規制との兼ね合いが気がかり」等と驚きとともに、戸惑いの声が聞かれた。
クニマスは、サケ科に属する淡水魚の一種。
秋田県仙北市の田沢湖にだけ生息していたが、1940年に絶滅した。
京都大の中坊徹次教授や、東京海洋大客員准教授のさかなクンらの調査で、西湖で生息していることが確認された。
西湖には35年、田沢湖のクニマスの卵10万粒が放流されていたという。
田沢湖畔に住み、クニマスを研究していた故・三浦久兵衛さんの長男久さん61(仙北市)の元には、35年の消印で、当時の西湖村漁協から田沢湖孵化場あてに送られた葉書がある。
葉書には、クニマスの卵が到着したとの記述があるという。
久さんは、「父は長い間、クニマスを探していたが見つからなかった。田沢湖を、クニマスが戻って来られる環境にしたい」。
西湖漁協の三浦保明組合長61によると、クニマスはヒメマスより黒っぽく、地元では「クロマス」と呼ばれ、ワカサギの刺し網漁でひっかかることもあるという。
西湖漁協では来年、クニマスの捕獲に関する規制を検討する方針だ。
一方、西湖畔で貸しボートと民宿の経営者の元には15日朝、仙北市の住民から、「クニマスを釣りに行きたい」と電話があった。
「観光資源になればいいが、規制との兼ね合いが気になる」。
横内正明山梨県知事は、「西湖で見つかって驚いている。環境省と相談しながら保護措置を検討していきたい」とコメントしている。(読売新聞・他)
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