ビキニ環礁、世界遺産に 核兵器被害の証拠 ユネスコ
国連教育科学文化機関/ユネスコは1日、ブラジルで開かれた世界遺産委員会で、冷戦期に米国が核実験を行ったマーシャル諸島のビキニ環礁について、世界遺産(文化遺産)への登録を決めたと発表した。
米国は1946年から58年にかけて、当時国連の信託統治領だったマーシャル諸島のビキニ環礁周辺で計67回の核実験を実施。
54年3月の水爆実験では、公海上で操業していた遠洋マグロ漁船第五福竜丸の乗組員らが被爆した。
ユネスコはビキニ環礁が、「核兵器の威力を伝える上で極めて重要な証拠」と指摘。「平和な地上の楽園というイメージとは裏腹に、核時代の幕開けの象徴となった」としている。
自然遺産でなく文化遺産として登録されたが、ユネスコは96年には広島平和記念碑/原爆ドームを世界遺産登録しており、今回も核の被害を後世に伝える負の遺産となった。
79年には、第2次大戦時にナチス・ドイツがユダヤ人大量殺害を行ったアウシュビッツ強制収容所/ポーランド南部が、惨劇を伝える目的で世界遺産に登録された例がある。【パリ時事・他】参照
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