石井好子さん、死去 日本シャンソン界の草分け
日本のシャンソン界の草分けで、後進の育成にも尽くした歌手の石井好子さんが17日、肝不全のため都内の病院で死去した。享年87。
1942年に東京音楽学校(現東京芸大)声楽科を卒業し、戦後にジャズ歌手としてデビュー。
52年にフランスで聞いたエディット・ピアフやイブ・モンタンに衝撃を受け、シャンソン歌手に転じてパリでデビュー。
国内では63年から毎年、シャンソンの祭典パリ祭を主宰して普及に努めた。
帰国後は故岸洋子、田代美代子、加藤登紀子らを育て、2年前のパリ祭で歌ったのが最後の大きな舞台だった。
90年、パリのオランピア劇場で日本人初のリサイタルを開くなど、国際的にも第一線で活躍。92年にフランスのコマンドール(フランス芸術文化勲章の最高章)を受けた。
91年に日本シャンソン協会を設立、今年7月まで会長を務めた。
95年には歌手生活50周年記念リサイタルを開いた。難民救済コンサートなどボランティア活動にも積極的だった。
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」で日本エッセイストクラブ賞を受けるなど、著書多数。65歳で高齢者の水泳大会マスターズ50㍍平泳ぎで優勝するなど、元気いっぱいだった。
衆議院議長、日本体育協会会長などを務めた石井光次郎は父。
大隈信幸と五島昇は叔父にあたる。
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