国内最古級の土偶発見 滋賀・相谷熊原遺跡
滋賀県東近江市の遺跡で、縄文時代初めごろの大規模な竪穴住居の跡とともに国内で最も古いとみられる土偶が見つかり、専門家は当時の生活を知るうえで貴重な資料になると注目している。
国内で最も古いとみられる土偶が見つかったのは、東近江市永源寺相谷町の相谷熊原あいだにくまはら遺跡。
滋賀県文化財保護協会が行った発掘調査で、縄文時代の竪穴住居跡から高さ3.1cm、重さ14.6gの親指ほどの大きさの土偶が見つかった。
近くの土器に付いていた炭で年代を測定した結果、およそ1万3000年前の縄文時代草創期のものとわかり、三重県の粥見井尻かゆみいじり遺跡の土偶とほぼ同じ年代で国内最古とみられるという。
胸の膨らみと腰のくびれが強調されていることから、女性をかたどり、多産や豊穣を願ったと推定されている。
また、遺跡では直径5㍍から8㍍、竪穴の深さが1㍍と、この時期としては大規模な住居跡がこれまでに5つ見つかっていることから、土偶は定住を始めた縄文人たちが祭りに使った可能性があるという。
縄文文化に詳しい京都大学大学院の泉拓良教授は、「定住を始めた人たちのつながりを深めるために作られた祭りの道具ではないか。当時の生活を知るうえで貴重な資料になる」。
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