銀閣寺観音殿、修復完了 落慶法要 創建時カラフル彩色
京都市左京区の慈照寺銀閣寺で12日、観音殿(銀閣、国宝)の修復がほぼ終了し、同寺で落慶法要が営まれた。調査の結果、創建時には、観音殿2階の潮音閣にカラフルな彩色が施されていたことが判明した。
屋根の劣化などに伴い京都府教委が07年秋から調査、修理を行い、こけらぶきの屋根を約30年ぶりにふき替えたほか、柱の一部など傷んだ部材を取り換えた。
彩色は、2階外壁の上部と屋根の軒下部分に赤と緑、青の顔料がわずかに残っていたことが確認された。
府教委によると、漆の上に帯状の花模様などを施していたとみられる。
また一階部分の間取りが変更されていたことが分かった。階段の位置が異なり、現在でいう床の間仏間構えが創建当時にあったと考えられるという。
現在2階に安置されている阿弥陀像は1階に置かれていたらしい。
2階内部は創建時にあったとみられる黒漆が塗り直され、往事の姿がよみがえった。漆は2階の外壁にも塗られていたことが分かっているが、壁板の劣化が激しく、負担が大きいと判断、塗り直しは見送られた。
銀閣は1489(延徳元)年に室町幕府の8代将軍足利義政が建て、落ち着きを重んじる東山文化を代表する建築とされる。
法要に先立ち、観音殿内を見学した有馬頼底 らいてい住職は、「大切に後世に伝えていきたい」と修復を喜んだ。(京都新聞)から
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