作家・井上ひさしさん死去 戯曲、平和運動にも活躍
父と暮せば、吉里吉里人など、笑いと社会批評を織り交ぜた戯曲や小説、エッセーを数多く発表、平和運動にも積極的に取り組んだ劇作家、作家で文化功労者の井上ひさし氏が9日午後10時22分、肺癌のため死去。享年75。山形県出身。
上智大在学中に東京・浅草の劇場フランス座で文芸部員になり、執筆活動に。1964年放送開始のひょっこりひょうたん島(共作)で注目を集め、72年に戯曲道元の冒険(71年初演)で岸田国士戯曲賞、小説手鎖心中で直木賞を受賞。
権力と庶民、戦争責任といった重厚なテーマを、言葉遊びやユニークな人物描写で軽やかに描いた。
幼いころの戦争体験から、反戦・反核や憲法擁護で積極的に発言。
04年には作家大江健三郎さんらと九条の会を結成した。日本ペンクラブ会長も務め、言論や平和を守る運動の先頭に立った。
04年文化功労者、09年日本芸術院会員。読売文学賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞など受賞多数。直木賞選考委員も務めた。(共同・他)参照
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