ビル・ゲイツ&東芝、次世代原子炉開発でタッグ?
東芝は23日、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏がかかわる米国のベンチャー企業から、次世代原子炉の開発に関して技術協力の要請を受けたことを明らかにした。双方が持つ技術の確認作業に入っており、今後、正式に原子力発電事業で技術協力するかどうかを詰めるという。
このベンチャー企業はゲイツ氏が出資するテラパワー。
昨年11月、ゲイツ氏とテラパワー幹部が来日し、東芝側に協力を求めた。12月には両社が秘密保持契約を結び、技術協力の可能性を探る検討作業に入ったという。
東芝は、「情報交換を開始した段階であり、今後の開発や投資の方針について、具体的には何も決まっていない」としている。
東芝によると、テラパワーが開発を進めているのはTWRと呼ばれる次世代原子炉の一つ。現在世界で稼働している軽水炉が使う濃縮ウランを燃料とせず、天然ウランやウランを濃縮する際にできる副産物の劣化ウランを使う。
実現すれば、放射性廃棄物を減らせるうえ、数年おきに燃料交換が必要な既存の原子炉と違い、最長で100年程度にわたり燃料交換の必要もないという。
東芝は独自に4Sと呼ばれる小型新型炉の実用化をめざしている。TWRと共通する技術も多いため、テラパワーとの提携に利点があるかを検討しているとみられる。ただ、極めて長い期間の核反応に耐えられる原子炉用素材の開発や、安全性の検証なども必要で、TWRの実用化に向けたハードルは高い。
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