立松和平氏、死去 遠雷 道元禅師
遠雷、道元禅師などの小説で知られる作家立松和平(横松和夫)さんが8日午後5時37分、脳内出血のため都内の病院で死去した。享年62。
栃木県宇都宮市出身。早稲田大在学中から雑誌早稲田文学に小説を発表、自転車で同文学新人賞受賞。その後運転手や宇都宮市役所勤務などを経て、1979年から執筆に専念。
55年に遠雷で野間文芸新人賞を受賞。小説だけでなくボクシングや自動車のラリーなどにも関心を示し、テレビ番組のリポーターも務めるなど、小説にとどまらず幅広いジャンルで活動。
後年は環境問題にも取り組んだ。
主な作品に卵洗い、毒――風聞・田中正造、道元禅師など(NIKKEI・他)参照
「何を書いても環境問題につながるまれな作家。自ら南極に行くなど行動的な人で、文学と生き方が結びついていた。また、独特の立松節のおかげで、そばにいるだけで空気をふわっと柔らかく優しくする、そんな方でした。ペンクラブでもずっと平和委員会の委員長を務めており、今年秋の国際ペン東京大会で中心的な役割を担ってもらおうと思っていただけに、残念です」阿刀田高日本ペンクラブ会長。
一方、93年には雑誌すばるで連載を始めた光の雨が、あさま山荘1972の盗作であると抗議を受けた。立松さんは盗作を認め、雑誌連載は休止。テレビ出演も自粛した。この光の雨も2001年、高橋伴明監督の手で映画化された。
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