仁和寺の御室桜をクローン技術で増殖 住友林業が成功
住友林業は10日、仁和寺(京都市)にある国の名勝御室桜おむろざくらを組織培養によるクローン技術で増殖に成功したと発表した。
茎の先の部分を採取し、独自の培養液に浸すことで大量の芽を生産、培養土で苗まで育てる。突然変異が起こりにくく、特徴である八重咲きを失わないという。
苗を安定的に確保し、枯れた場合の補充などに充てたい考えだ。二百数十本ある御室桜は遅咲きで人の背丈までしか成長しない低木として有名だが、すでに樹齢が360年を超える個体もあり、枝が枯れたり、花の数が減ったりしていた。
接ぎ木にも適さないため、1つの芽から多くのクローン苗を増殖できる独自の組織培養を実施し、世界で初めて成功した。
増殖量に限りはなく、無菌の試験管内で培養するため、病虫害の心配もないという。2~3年後をメドにクローン苗を植える予定。
同日、都内で記者会見した仁和寺の立部祐道執行長は、「新しい苗で後世に御室桜を残したい」と話した。(NIKKEI他)参照
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