池田古墳で全国最多の水鳥形埴輪出土 来世のイメージか
兵庫県朝来市の前方後円墳池田古墳(5世紀前半、全長約141㍍)で、水鳥形埴輪7体分の頭部や胴体部が見つかり、県立考古博物館が29日、発表した。
既に出土した8体と合わせ15体になり、応神天皇陵ともされる誉田御廟山古墳(大阪府羽曳野市)と並び全国最多の出土数。
水鳥形埴輪を多数配して美しい水辺のイメージをつくり出し来世に重ね合わせたとみられ、古代の祭祀や死生観を探る貴重な史料になりそうだ。
水鳥形埴輪は、古墳中央東側のくびれ部分にある台状遺構造り出しに沿うように約3㍍間隔で出土した。7体とも破片になった状態で、頭部は最大のもので長さ約17cm。既に出土した8体もすべて墳丘の東側で見つかっている。
水鳥には、死者の魂を来世から現世に迎える役割もあったとみられる。
西側の造り出しではアケビのような植物をかたどった土製品やつぼ、高坏など12点が出土。古墳の東西で異なる祭祀が行われた可能性もある。
「東側では水辺のイメージをつくり出して来世を表現する一方、西側を祈りの空間とし、古墳の東西で機能を分けていたのではないか」高橋克寿花園大准教授(考古学)。
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