出雲国府跡から、人名リスト「漆紙文書」出土
島根県埋蔵文化財調査センターは15日、松江市大草町の国史跡出雲国府跡から8世紀末~9世紀初頭の人名リストなど漆紙文書うるしがみもんじょ3点が出土したと発表した。
文書を用いた行政が古代の出雲国で機能していたことを示す資料として注目される。文書は政庁の北約100㍍にある国司の宿舎近くのごみを捨てた穴から見つかった。3点のうち2点が公文書。
肉眼では読めないため、同センターと東大史料編纂所で赤外線撮影し、「日置首鮒へきのおびとふな」「麻呂」など男性5人の名前や年齢の「廾二十」を判読。「延暦」の文字から作成は奈良時代終わりから平安時代初めとみられる。
漆紙文書とは、漆を容器に小分けした際、乾燥しないようふたに用いた廃棄文書に漆が染み込み腐らず残ったもの。
主に関東から東北で出土し、西日本では少ない。県内では3回目の発見。
史跡出雲国府跡発掘調査指導委員会のメンバーで東京大学大学院の佐藤信教授は、「6年に1度作る戸籍を見ながら年齢を確認したのだろう。
文書行政の実態が分かる貴重な資料」と話している。
文書は25日に出雲国府跡で開く「国府まつり」で公開。
現地説明会は11月14日に予定している。
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