大王級古墳100年ぶり発掘、葺き石確認 津堂城山古墳
日本有数の巨大古墳群として知られる古市古墳群の中で、最古とされる大阪府藤井寺市の津堂城山古墳(前方後円墳、4世紀後半)から築造時に置かれたままの円筒埴輪や葺石ふきいしなどが良好な状態で見つかった。
明治時代に石室から大王の棺とされる長持形石棺が確認され、宮内庁が後円部の一部だけを陵墓参考地として管理。
今回の調査はそれ以来約100年ぶりで、斜面に葺石が整然と敷き詰められていることが分かったほか、埴輪の破片が出土した。
古墳の上部は中世に山城として大きく改変されていたが、崩れ落ちた土砂が埴輪や葺石を覆ったため守られたらしい。
市教委の上田睦文化財保護課チーフは、「古墳は河内平野に進出した最初の大王墓とみられるだけに、築造の方法を推定できるデータを得られた意義は大きい。後の大古墳の原型で、巨大古墳の墳丘規格を考える史料となる」と話している。
古墳は全長208㍍、周濠跡などを含めると全長440㍍の巨大古墳。土壌の流出などで整備が必要となり、管理区域外を藤井寺市が7月末から発掘していた。
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