新潮ドキュメント賞 蓮池薫「半島へ、ふたたび」
第8回新潮ドキュメント賞の選考会が27日、都内で開かれ、北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さん51の半島へ、ふたたび(新潮社)が選ばれた。
受賞作は、昨年ソウルを訪ねたのを機に北での暮らしを振り返り、南北の文化も比較した手記。
拉致後、帰国をあきらめ、家族のために生きると決意したことや、衣食住の苦労などを生々しくつづる。
これまで語らなかった拉致。それを本にしたのには訳がある。帰国すれば、こんなチャンスもあるという、北に残された人を励ますメッセージ。
また、拉致への関心が薄れつつある社会への世論喚起。拉致を『負』で終わらせず、生かす道があると子供に教えたいという思いも。
柳田邦男選考委員の、「作家としての目の鮮烈さ、鋭さがある」との評に、「北朝鮮では自分の今後を誰からも知らされず、人の態度から多くを判断してきた。その影響があるのかもしれない」。
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