陶芸家・三代徳田八十吉さん、死去 九谷焼
彩釉磁器の重要無形文化財保持者/人間国宝で、九谷焼に現代的な色彩と造形感覚をもたらした陶芸家・三代徳田八十吉やそきちさんが、26日午前11時4分、突発性間質性肺炎のため金沢市内の病院で死去した。享年75。
1933年、小松市生まれ。
江戸時代の古九谷の再現に取り組んだ祖父の初代徳田八十吉や、父の二代八十吉に師事。
71年に日本伝統工芸展に初出品し、NHK会長賞を受賞。
93年に紫綬褒章受章。97年に人間国宝に認定された。
九谷焼の歴史を研究する中で、歴代の九谷焼が同時代の絵画表現から影響を受けてきたことを知り、色彩表現を重視した戦後の抽象絵画に注目。「うつわや花器を、その時代の華麗な絵で装飾する」という精神性を現代に受け継いだ。
伝統的な九谷五彩のうち、赤を除く黄、緑、青、紫の4色を原点にして100色以上にまで広げ、自ら耀彩ようさいと命名した色彩表現は、「色釉いろゆうによる抽象表現」と海外でも高い評価を得た。
釉薬だけでなく、素地やろくろの技法、焼成技術まで総合的に研究する学究的な面もあった。 (asahi.com・他)参照
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