上杉志成京大教授ら、メタボ薬開発に道 脂肪合成を抑える
上杉志成もとなり教授(ケミカルバイオロジー)や酒井寿郎東大教授らは、細胞内で脂肪の合成を抑える化合物を発見。過食で肥満になるマウスにこの化合物を与えたところ、体重の増加や血糖値の上昇を抑え、脂肪肝になるのを防いだ。
糖尿病や脂肪肝などの治療薬の開発につながる可能性がある。28日付米専門誌に発表する。
上杉教授らは、米ベイラー医科大、東京大と共同で、がんを抑える作用があるとされていた化合物の働きを詳しく調べた。
この化合物を細胞にかけると、働きが落ちる遺伝子が多数あり、その多くが脂肪合成にかかわることに注目。
食欲が減退せず肥満になるような遺伝子異常のあるマウスに4週間、この化合物を注射した。その結果、えさを同じだけ食べても、注射をしなかったマウスに比べて体重は12%少なく、血糖値は70%低かった。
注射をしないマウスは脂肪肝になるが、このマウスの肝臓は正常だった。
この化合物をファトスタチンと命名。細胞には糖から脂肪を合成する際に必要な多数の遺伝子のスイッチを入れる親玉遺伝子があり、ファトスタチンはこの親玉遺伝子の働きを阻害することがわかった。
「肥満になる過程でファトスタチンの効果をみたが、肥満になった後にも効果があるかどうか調べたい」上杉志成教授。(asahi.com・他)参照
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