岡本太郎・月の壁、半世紀ぶり発見 旧都庁壁画の原画
戦後美術に大きな足跡を残した故岡本太郎1911~96の忘れ形見がまた見つかった。代表作のひとつ旧・東京都庁舎の陶板壁画の原画月の壁。56年に制作された縦約80cm、横約65cmの油絵。半世紀以上、存在すら忘れられていた。
旧都庁舎は50年代に千代田区に建設されたが、91年に取り壊された。壁画11面は保存の声が上がったが解体。壁画の原画は、強烈な色彩とダイナミックな構図の日の壁の油彩画のみが、岡本太郎記念館(港区)に残されていた。
今回見つかったのは、日の壁と対をなす作品。青と灰色のまざった背景など夜の冷たい月光を感じさせる色調で、叙情性さえ漂うシンプルな構図。
絵の具の微細なひび割れが時代を感じさせ、鉛筆の下書きが残る部分もある。
旧都庁舎建設に関係のあった会社の役員が所有していたが、6月に都内の美術商が購入。川崎市岡本太郎美術館に持ち込んだところ、学芸員らが、岡本太郎の作品であることを確認した。
同館で9日から始まる岡本太郎の絵画展の後期展に、急きょ出品される。(asahi.com他)参照
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