西洋美術館、世界遺産登録見送り 追加情報照会が必要
近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887~1965年)が設計した上野の国立西洋美術館本館など世界6カ国にある22の建築作品について、
スペイン・セビリアで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は27日、「世界文化遺産に登録するには追加情報を照会する必要がある」とし、現段階での登録を見送った。
一連の作品は、フランス政府を中心に昨年、「ル・コルビュジエの建築と都市計画」として各国が共同で推薦書を提出し、一括での世界遺産登録を目指していた。
西洋美術館本館はコルビュジエが設計した東アジアで唯一の建築物。
日本が推薦して登録が認められなかったのは、昨年の平泉(岩手県)に続き2例目で、情報照会の決定は初めて。
5月の事前評価では、諮問機関の国際記念物遺跡会議/イコモスが登録延期を勧告。各国政府が巻き返し、1段階上の情報照会にこぎ着けたが、構成資産の選択や保存管理などの観点から課題が残るとされ、逆転はならなかった。
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