与謝蕪村の幻の大作・名士言行図、76年ぶり所在判明
江戸中期に日本の文人画を大成した与謝蕪村(1716~83年)の屏風絵で、長く行方不明だった大作名士言行図が広島県内の美術館に未公開のまま所蔵されていることが26日、分かった。
所在が公になるのは76年ぶり。専門家は、「与謝蕪村が円熟する一歩手前の高揚期の作品で、(この時期としては)文句なしに傑作」と評価。保存状態も極めて良く、制作時の鮮やかな色使いを伝える点でも貴重だという。
作品は蕪村が数えで55歳の1770年に制作した名士言行図。六曲一双(縦約1.7m、横計約7.5m)の屏風で、中国の故事を題材に師弟の交情を色彩豊かに描き、基となった漢文を画面の端に記している。
広島県廿日市市の海の見える杜美術館が4年前、京都市の画商から購入。1933年刊の画集蕪村名画譜に大津市の男性所蔵として載ったが、以降の所有者については研究者も把握していなかった。〔共同〕
| 固定リンク
コメント