禅 ZEN 道元禅師の心
〇春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり
川端康成がノーベル文学賞授賞式での記念講演で引用した道元禅師の和歌である。私はこの歌を川端文学の神髄を表すものであるとともに、日本の四季の移ろいの美しさを世界に語りかけたものだろうと思っていた。
映画禅 ZENを観ているうちに、道元禅師の心境に思いを致すようになっていた。
この和歌は禅師の悟りの境地ではないか、と。
ありふれた季節の移り変わりの中にも、心を澄ませば無上の喜びがある、生きる意味がある、そんな境地ではないのだろうか、と。
無論、悟りの境地を実感できるわけではないが……。
曹洞宗の開祖道元は、仏道の正師を求めて24歳で宋へ渡り、如浄禅師の下で修行を積んで悟りを得た。
帰朝した道元は、如浄禅師の教えを立てることを決意する。
道元の教えを学ぼうとする者たちが次第に僧堂に増えていくが、日増しに比叡山の僧兵の圧迫も激しくなっていく。
ついに僧堂を焼かれた道元は、越前へ移る。
永平寺を建立して門徒たちの指導に励む道元のもとへ、ある日六波羅探題の波多野義重が訪れた。時の執権北条時頼を怨霊から救って欲しいという。
道元は求めに応じて、鎌倉へと向かうーー。
★道元禅師役の中村勘太郎は若すぎないかと懸念していたが、段々高僧らしい清らかな気配を漂わすようになっていった。
★宗教的専門用語が多く、時々言葉の意味を理解できなかった。
禅語などは、漢字を字幕に表記してほしかった。
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コメント
hyoutan2005さん
初めまして。
コメントを有り難うございました。
『禅 ZEN』は、清々しい映画でしたね。
『おくりびと』とともに、ここ半年で観た邦画のうちの双璧でした。
ともに生と死を題材にしています。
今後とも宜しくお願い致します。
投稿: 大滝三千夫 | 2009/02/16 00:11
TBありがとうございました。
こちらの記事とコメント欄で字幕表記の件について読ませていただいて色々考えさせられました。
新年早々心を洗われるような作品に出会う事が出来て、今年の邦画にも期待を抱いているところです。
投稿: hyoutan2005 | 2009/02/15 21:46
ぜんさん
初めまして。
コメントを有り難うございました。
セリフが耳に届かないと、雰囲気としては分かっても映画の流れがいったん途切れてしまいます。
漢字は表意文字だから、意味を理解する手助けになると思ったのです。
今後とも宜しくお願い致します。
投稿: 大滝三千夫 | 2009/02/07 01:34
特に漢字が表記してあればなぁと思ったのは、道元禅師臨終の場面です。
弟子たち一人ひとりに、何かを伝えようとしている言葉を理解できませんでした。
その簡潔な言葉が、映画全体の核をなすように思えたのです。
投稿: 大滝三千夫 | 2009/02/07 01:25
中村勘太郎の演技は、清らかで重々しい雰囲気が出ていました。
>禅語などは、漢字を字幕で表記してほしかった。
これは、良い案ですね。
難しい言葉も、分かりやすくなったかもしれません。
投稿: ぜん | 2009/02/06 22:37
> 管理人様
トラバをいただきまして、ありがとうございます。
> 禅語などは、漢字を字幕で表記してほしかった。
これですが、そういう検討も行っています。しかし、意外と邪魔になり、また、字幕が出るとそちらに目が行って、せっかくの細かな演技や所作が見えなくなるのでは?という意見で、説明は無し、ということになったようです。
投稿: tenjin95 | 2009/02/06 21:42