国宝・玉虫厨子を複製 奉納、法隆寺
飛鳥時代の工芸の最高傑作、法隆寺の国宝玉虫厨子たまむしのずし(7世紀、高さ約2.3m)を模した2基が完成。法隆寺で1日、公開された。
岐阜県高山市の造園業中田金太さん(昨年6月死去)が1億円超の私費を投じて03年秋から計画。
大工や蒔絵師まきえしら延べ4千人以上がかかわり、2万匹以上の玉虫の羽を活用、鮮やかな緑色の輝きを放っている。
1基は復刻版として国宝を忠実に再現。宮殿部の透かし彫り金具の下に玉虫の羽6622枚をはり付けた。
もう1基は平成版。金具の下だけでなく、四つの面に描かれた自己犠牲の教えを説く捨身飼虎図/しゃしんしこずなどの仏画にも、3万6千枚以上の羽を使って豪華に仕立てた。
中田金太さんは生前、「現代の伝統工芸技術で玉虫厨子をつくってみたい」と語っていたという。法隆寺の大野玄妙管長は「想像以上にあでやかな光。本当に美しい」と喜びを話した。
20日から法隆寺である秘宝展で一般公開され、終了後、復刻版は法隆寺に寄贈され、平成版は茶の湯美術館(高山市)に展示される。
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