太陽系外縁に惑星Xの可能性 神戸大 向井正教授ら
太陽系の外縁に、地球とほぼ同じ大きさの惑星Xが存在する可能性を、日本の研究グループが数値計算で明らかにした。
約1000年かけて太陽の周りを公転しているという。
太陽系の惑星は、06年に冥王星が準惑星に降格され、現在は8個だが、惑星Xが観測で見つかれば、冥王星に代わる第9惑星になる可能性が高い。
米天文学会誌アストロノミカルジャーナルの4月号に発表する。
太陽系の外縁部には、エッジワース・カイパーベルトと呼ばれる氷の小天体群でできた帯がある。
この小天体群は、太陽から50天文単位(1天文単位は地球と太陽の平均距離=約1億5000万キロ)を超えるとまばらになり、軌道が細長い楕円形にゆがむが、その理由の説明がつかなかった。
神戸大学惑星科学研究センターの向井正教授とパトリック・リカフィカ特別研究員は、
惑星Xが帯の外側にあった小天体をはじきとばし、重力で軌道をゆがめていると仮定。
コンピューターで数値計算した結果、太陽から20天文単位ほど離れたところで生まれた惑星Xが、太陽系形成初期の約1億年で80~175天文単位離れた軌道上に移動したと考えると、つじつまが合ったという。
計算では、惑星Xの大きさは直径が1万~1万6000キロで、約1万2800キロの地球とほぼ同じ。氷状のメタン、アンモニア、水などと岩石からなり、地球の3~7割の質量(重さ)を持つ。
太陽に最も近づくと14.8~17.3等星と冥王星なみの明るさになるとみている。
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