文化勲章受章・片岡球子さん死去 面構 富士
歴史上の人物を描いた連作面構つらがまえや富士の絵など個性的で力強い画風で知られる文化勲章受章者の日本画家片岡球子さんが16日、急性心不全のため死去した。享年103。
片岡球子さんは札幌生まれ。東京の女子美術専門学校/現女子美術大で日本画を学び、横浜市の小学校で教壇に立つ一方、制作を続けた。
帝展で落選を続けた後、30年枇杷で院展に初入選。戦後は安田靫彦に師事し、52年に美術部にてで日本美術院賞・大観賞を受賞し、画家としての地歩を固めた。
愛知県立芸術大教授に就任した66年、ライフワークとして戦国武将や浮世絵師などを描く面構の連作を開始。
人物の内面に踏み込み、力強さと装飾性を備えた画風を確立。同時に富士山に向き合い、鮮烈な色彩で描き続けた。
82年、日本芸術院会員となり、89年には文化勲章を受章。最近まで制作意欲は衰えず、05年、100歳を記念した個展では、「一生懸命上手になろうと毎日、へたな字を書いている」と書などを出品していた。生涯独身。
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