教行信証の坂東本に親鸞直筆メモ 振り仮名や返り点
浄土真宗の宗祖親鸞(1173~1262)が著した教行信証の自筆本坂東本(国宝)に、木や竹などの先端をとがらせた筆記具・角筆/かくひつで紙をへこませて記した書き込みが約700カ所あることがわかった。
まだ解読は進んでいないが、漢字に振り仮名をつけたり、漢文に返り点をつけたりしているところが多く、親鸞本人が書き込んだとみられるという。
坂東本を所蔵する真宗大谷派(本山・東本願寺)が親鸞の750回忌(2011年)の記念事業の一環で、文化庁と京都国立博物館の協力で坂東本の修復をするなかで、様々な角度から写真を撮ったり発光ダイオードのライトを当てたりして見つかったという。
実際に書き込みを見た広瀬杲(たかし)元大谷大学長は
「まだ詳しくはわからないが、これまで見つかっていなかった角筆の書き込みが発見された意義は大きい。解読が進めば、教行信証や親鸞の思想の解釈の変更につながる可能性もある」と話す。
《坂東本》
宗祖・親鸞が自ら書いた浄土真宗の根本聖典教行信証。
親鸞が60歳ごろから書き始め、最晩年まで推敲を重ねたとみられている。
6冊の袋とじ和装本で真宗大谷派が所有。
坂東報恩寺(東京都台東区)に伝わったものが、京都の東本願寺に移された歴史がある。東本願寺が京都国立博物館へ寄託している。
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