紫式部文学賞に、馬場あき子さんの歌説話の世界
女性の文学作品を対象にした京都府宇治市の第17回紫式部文学賞が14日、発表された。受賞作は、歌人馬場あき子さん(79)の評論歌説話の世界(講談社)に決まった。
歌説話の世界は「清少納言は歌ぎらいか」「用意周到な紫式部の歌」等26編からなる。大和物語、伊勢物語、今昔物語など平安初期から中世にかけて多くの歌人が記憶していた歌説話を取り上げ、歌とは何かを問う。
哲学者梅原猛さんをはじめ、作家川上弘美さんや文芸評論家竹田青嗣さんら4人が選考委員を務めた。委員長の梅原猛さんは
「歌物語を鋭く読み取り、人々の人間性を、いやらしさを含めて書いた。評論でありながら小説的。新しい世界を切り開いた」とたたえた。
「今まで歌人として歌説話に刺激されるところが少なくありませんでした。それが、紫式部の名を冠した賞をいただけたことで、分野そのものに光が当たったようなうれしさでいっぱいです」馬場あき子さん。
馬場あき子さんは28年東京都生まれ。昭和女子大卒。在学中から短歌や能に親しみ、78年に歌誌「かりん」を創刊。
贈呈式は、11月18日午後2時から宇治市折居台の市文化センターで開く。
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現代短歌の鑑賞事典 馬場 あき子 |
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