ロード・オブ・ウォー シンデレラマン スタンダップ
邦題のスタンダップ(原題:North Country)は、アジテーションとしての「立ち上がれ!」ではないのだろう。
労働者と経営陣との対立構図において、女性ゆえにひどい差別を受けたりセクハラまがいの辱めを受けたりして、余儀なく立ち上がったジョージー/シャーリーズ・セロンと、同じ女性ながらどうしても「立ち上がる」ことの出来ない人々が、それでも共に戦うときが訪れるのを待つ、祈りのような言葉なのだ。
そして、思わぬときに、孤立無援のジョージーに最初の援軍が現れる。
その思いがけない援軍が「スタンダップ」した瞬間から、この映画はドラスティックに動いていく。
昨夕、ニコラス・ケイジが死の商人を演じるロード・オブ・ウォー=Lord Of Warの試写会に出かけた。史上最強の武器商人と呼ばれた男の半生記だ。
彼は、南米や中東・アフリカなどの紛争地に姿を見せては、敵・味方の区別なく武器を売りつけ、「これが我々の国際主義」とうそぶき、巨万の富を手にする。
だが、リベリアでの密売交渉中に、近くで難民たちが虐殺されている光景を目の当たりにした弟は発狂した末に殺され、自分たち家族の贅沢三昧の生活が血塗られた武器密売の上に成り立っている事実を知った妻は、まだ幼い息子の手を引いて家を出る。
○映画の終幕に印象的な文言が
史上最強の武器商人が1年半かけて死に物狂いで売りつけた武器を、彼を追い詰めた捜査官のボス/米国大統領はたった1日で捌いている。
国連の常任理事国は大なり小なり同じようなことをやっている。
☆現今の世界情勢を政治や経済、文化・宗教といった表からではなく、武器の密売という裏から切り取った大作だ。
アンドリュー・ニコル監督によると、この映画は米国資本抜きで制作し、「政治のタブーや暗黒面に迫ることができた」。
シンデレラマンの試写会に出かけた。
稀にみる素晴らしい映画で、深々とした感動を覚える。
今なお、余韻さめやらぬ思い。
時代背景は、1930年代のアメリカ東部。
往時のマジソン・スクウェア・ガーデンが出てくる。
大恐慌下の暗い世相、庶民はあす食べるパンにすら事欠く窮状。
元ボクサーのジム・ブラドック/ラッセル・クローは、妻/レネー・ゼルウィガーと3人の子供たちを守るため、日雇いの職を得ようと港湾に行くが、仕事にあぶれ空しく家に帰る日が少なくない。
そして、激しく雪の降りしきる凍てつくような日、電気を止められる。
家族を守るために、希望を捨てないで自分に出来ることを一生懸命続けていたら奇跡が起きたという、実話に基づいた「おとぎ話」だ。
ラッセル・クローといえば、グラディエーターやビューティフルマインドも長く心に残る作品である。
監督は『ビューティフルマインド』の名匠 ロン・ハワード
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